- 2011.11.29 火曜日
- 先週、九州出張のことを書かせていただきましたが、急遽帰りの飛行機の時間に余裕が出来たので、駆け足で博多周辺の建築物を見てきました。
(業務連絡:
博多のケン坊様、お声掛けせずにすみません、急に呼び出したら悪いと思いまして…)
ネットで調べた所、「世界の建築家通り」なる物があるらしい。
病的方向音痴の私でも、最近はスマートフォンの地図がナビしてくれるので、初めての場所にも簡単に行ける様になったので、カメラ片手に早速行ってきました。
世界の建築家通りとは、
マイケル・グレイブス
スタンリー・タイガーマン
黒川紀章
木島安史
葉祥栄
出江寛
美川淳而
の7人の建築家がそれぞれ設計した集合住宅が軒を連ねる通りとのことで、期待を膨らませて、地下鉄空港線の西新駅に向かいました。
この周辺は、シーサイドももちと呼ばれるウォーターフロント地区。
埋め立てで作られた臨海地区で、福岡タワーやヤフードームが有ることでも有名で、この様な近代的な建築物だらけなのです。
う~ん、確かに凄いんだけど…
ここでは地震にあいたくないな…
と言うのが素直な感想。
福岡タワーも、やっぱ登りたくないかな…。
この配色はアルナシで言ったらナシだな…、
とかぶつぶつ言いながら問題の世界の建築家通りへ。
ん?
どこだ?
看板も何も無い。
地図ではそろそろのはずなんだが…。
仕方がないので、お店に入って
「すみませ~ん、世界の建築家通りってどの辺です?」
と聞くと、
「え~っ、そんなの聞いたこと無~い」
と言われてしまいました。
おかしいな…?
と思いながら隣で聞いてみようと歩くと…
あ、あった。
何と道を尋ねた50m先に、マイケル・グレイブス設計のネクサス百道M棟と、スタンリー・タイガーマン設計の同Sがあったのでした。
看板はMとSだけ。
もうちょっと解説看板とか有っても…。
(私同様、方向音痴の人のために、グーグルマップの情報は33.588124,130.347735)
こっちがM棟。
そして、
こっちがS棟。
う~ん、集合住宅と言えば、どうしても表参道ヒルズを見た時の感動と比べちゃいます。
ふーん、くらいしか感じない…。
実は、これ以外の集合住宅は、どれがどの建築家が設計したものなのか、それらがわかる表示や解説などは一切無し。
なまじ書くと、設計を勉強している学生とかが無断進入するのを嫌ってか…?
それはさておき、私が一番「(有る意味)はまった」のは、やっぱり黒川紀章!
ヴェルデコート一番館。
建物からエネルギーが伝わってくるって言うんでしょうか、
銀座の恋の物語♪ が聞こえてくると言うんでしょうか、
道路とい面のリンガーハットの尖り屋根との対比は、まさか狙ったわけではないのでしょうが、私は一人、
「さすがっ、あんたは尖ってるぜぃ!」
とほくそ笑んでしまいました。
雨が降れば、どう考えてもこうやって痛むでしょうに…、
という意匠も、黒川紀章だと思えばにやけてしまう。
そう、建築家に依頼するということは、建築主にも相応の心構えが求められるんでしょうね(笑)。
黒川紀章と言えば、近くには福岡銀行本店もあるので行ってきました。
どうですこの巨大なピロティー!
これがなければ何階か階数を減らせて、コストも大幅に下がるだろうに、この空間!
この無駄な空間に立った時に感じる「えねるぎぃ」。
いやはや、楽しいです。
そうそう、銀行と言えば、
博多駅の目の前には、
静岡県民にはおなじみの、「グランシップ」の設計者、磯崎新の西日本シティ銀行が有ります。
場所が百道(ももち)地区から離れてしまったので戻りましょう。
福岡市総合図書館(奥は福岡タワー)。
凄いです。
凄いと言えばやっぱり圧巻は、
福岡市博物館。
おーっ、美しい~っ。
こういう文化施設にお金かけられるのって良いですね。
こう言う所はケチっちゃダメでしょう。
福岡は凄い。
エネルギッシュな街ですね。 - でブログが終われば良いんですが、「何じゃこりゃ!」って思った所を続きに書いちゃいましょう。
この市立博物館、
凄く立派。
でも、残念ながら改装工事中で休館中でした。
それは仕方ないにしても、もっともっと残~念~っ!だったのは、美しい人工池の前庭のあそこ!
(二枚前写真右の黄色矢印)
写真右隅の上半身像。
これじゃ、まるで廊下に立たされている子供みたい。
博多市長の寄せ書きの碑文によると、
桑原敬一先生は、第十八台福岡市長に就任以来三期十二年に渡り…
福岡市を西日本の中枢都市として名実共に機能を高め…
名誉市民の称号を贈ると共に、多くの市民の篤志を得て…
先生の大きな功績を永くたたえる。
とあります。
福岡市博物館館長も勤め、勲一等瑞宝章を受章していらっしゃるので、本当に有能な政治家かも知れませんし、ダイエーフォークスを呼んだりと、静岡の私は知りませんが、本当に市民に愛された方なのかも知れません。
でも、「先生」って銅像が出来るってどうなんでしょう?
特にこの美しい広場の片隅に金ぴかの像、って私には笑ってしまうほどお粗末に虚しく見えました。
公務に身を捧げた人ならなおさら、こんな銅像になりたいと思わないのでは?
と私は思うのですが、政治家という職業の方々は、センセイ、センセイ、と言われるとそうなっちゃうんでしょうか…?
かつて、オマエ! キサマァ~! テメェ~!
等という言葉は、御前、貴様、手前、と、直接名前を呼ぶのが憚られるほど高貴な人に対する呼び名だったそうですね。
今に、
「おぃ、センセェ!」
「何だと、このやろー」
何てなっちゃうんでしょうかね。
先生と言われる程の馬鹿でなし
そんな事を考えさせられた、残念な建造物?でした。 - ミニ建物探訪 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
たしかに、バブリーな香りプンプンでした。
お金をかければ町並みが出来る訳ではないという好例かも知れませんね。
お勉強になりました。
次回は中洲に連れてって下さいませ。
また行くですバイ!
遅ればせながらのコメントですタイ。
百道地区の建物群はバブルの残骸?となってます。地元の人たち、我々建築家もしいて見学なんて行きません。
西方沖地震の時は、云われるように液状化現象で百道辺りは砂が吹き上がりましたね。
地震後引っ越しした方が多かったのを覚えてます。
博多の旅を楽しんでもらえましたか。
また、お待ちしてますバイ。
バイバイ。