- 2011.10.13 木曜日
- 今週末見学会の、富士宮市で進行中の長期優良住宅先導事業の家です。
次世代パッシブソーラーそよ風も搭載です。
引き続き本日も、ピザ釜工事の様子をご案内致します。
本日は、現地作業3日目の様子です。
前日作ったコンクリートブロック基礎の上に、耐火モルタルで耐火レンガを積んで行きます。
袋が上下逆さまですがこれが耐火モルタル。
予備知識として、
モルタル=セメント+砂=約1:2
コンクリート=モルタル+砕石=セメント+砂+砕石=約1:2:3〜4
です。
つまり、ホームセンターに売っているセメント(普通ポルトランドセメント)は、砂と水を混ぜてモルタルとしますが、この耐火モルタルは水と混ぜて、砂を入れずにそのまま使います。
砂の代わりの骨材(シリカなど)がすでに入っているわけです。
袋から出したところですが、普通モルタルが灰色なのに対して、やや黄色がかっているのがお分かりいただけると思います。
水と混ぜると、
この様に、ピーナッツバター状になります。
かなり粘度があり、べたつく感じです。
ここで注意しなければならないのは、普通のモルタルと耐火モルタルは全くの別物だと言うことです。
モルタルは、セメントと水の化学反応で硬化します。
よって、水分が少ないと化学反応は不完全でパサパサになってしまいます。
普通モルタルでレンガを積む際には、レンガが水を吸ってしまわない様に、十分レンガに水を吸い込ませておく必要があります。
耐火モルタルはこれをしてはいけません。
耐火モルタルは、水はあくまでも流動性を持たせる物、くらいに考えておきましょう。
耐火モルタルは、熱を加えることによって初めて硬化します。
よって、なまじ上記のレンガ積みの基本を知っている方がレンガを濡らして施工しようとすると、レンガから出る水分で耐火モルタルがべちゃべちゃになってしまいます。
耐火レンガは濡らさず、よく表面の砂を払って、乾いた状態で耐火モルタルを塗りつけます。
まさにピーナッツバターを塗って行く感じです。
この様に積んで行きますが、普通モルタルは時間が経つとだんだん化学反応が進行して固くなって行きますが、耐火モルタルは水分が蒸発して流動性が少し悪くなることはありますが、基本的に練った状態がずーっと続くので、ゆっくり積んで行けるし、何度でもやり直し可能ですので、DIYに向いていると思います。
ただ、この
「加熱しないと固まらない」
「それまでは、水分が加わると流動性がどんどん増す」
という性質から、加熱(この場合釜に火を入れる)までは、施工中の釜を雨に濡らしてはいけませんし、加熱するまではずっと柔らかいままなので、積み上げるとレンガの重みで目地がグニュっと潰れて来ます。
よって、普通モルタルのレンガ積みの様に1cmもの目地を作るのではなく、あくまでイメージとしては接着剤の様に薄めに塗って行きます。
いよいよアーチ部に来ました。
前にご紹介した様に、この様に木で作ったアーチの上にレンガを並べて施工します。
アーチ部分はレンガとレンガの間に、大きなスキマが出来ますし、このスキマがスカスカだとアーチが崩れてしまいますので、ピッチリとと耐火モルタルを詰め込んで行きます。
下の木枠は、完成時のこのまま燃してしまいます。
それによって熱で耐火モルタルが固まるまで、アーチを支えてくれるわけです。
ちょっと長くなりましたので、現地作業3日目の様子の後半は明日に続きます。
このピザ釜がどうなったかは、完成見学会でチェックして下さいね!
☆☆☆ 空のリビングの家 完成見学会 ☆☆☆
平成23年10月15・16日(土日)
- ピザ釜を作ろう! | comments (0) | trackbacks (0)
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