- 2011.07.04 月曜日
- さぁ、今週も張りきって参りましょう!
半年前に、会社の屋根を、『通常塗料』と『遮熱塗料』で塗り分け、その効果の程を夏にご報告します、と書きました。
あの頃は、まさかこんな大地震が来て日本全国で節電の夏が来るなどとは思いもしなかったのですが、エアコンをなるべく使わないで涼しく過ごそう!という今夏に、奇しくもぴったりのテーマとなりました。
会社事務所の屋根:エスケー化研株式会社のクールタイトシリコン
会社工場の屋根 :同社のクリーンマイルドシリコン
どちらも白色です。
写真の様に放射温度計で一時間毎測定した結果がこれです。
棒グラフが折半屋根(鉄板)の表面温度。
赤が通常塗料の工場屋根、青が遮熱塗料の事務所屋根です。
そして、
棒グラフは参考に測定した、それぞれの屋根直下の室内天井の表面温度です。
天井に関しては、断熱材の有無や仕上げ材の違いがあるので、あまり意味がありませんが、後半入れ替わっているのは、事務所屋根の断熱材が蓄熱材の役目をして、日が傾いてきてもいつまでも暑い、と言うのを示しているのだろうと思われます。
高断熱の家で、通気がしっかり考えられていない場合に起こる、熱帯夜みたいなものですね。
さて、肝心の表面温度ですが、最も暑い時に、3〜4℃、表面温度が低いと言うのが観察されました。
確かに遮熱塗料の方が低いのですが、この温度の違いを効果有りと見るか、こんなもん?と見るかは微妙です。
実際、触った感じでは、どちらも熱く、違いは分かりませんでした。
通常塗料と遮熱塗料は、材料単価は結構違う(メーカーによっては1.5倍)のですが、下地処理や、職人の手間が入った材工単価は、1割くらいです。
1割で数%の温度低下…?
実はそう単純ではありません。
今回の結果は、やる前からある程度予想が付いておりました。
半年前のブログでも、『遮熱塗料かどうかよりも、色による違いも大きい』事を書かせていただきました。
建築情報誌で遮熱塗料に関する実験を行った結果を見ると、
『より薄い(明るい)色の通常塗料の方が、濃い(暗い)色の遮熱塗料より温度が低い』
という傾向があります。
(濃い色の方が遮熱と通常の違い自体は、より大きい)
つまり、表面温度は、
遮熱白<通常白<遮熱グレー<通常グレー<遮熱黒<通常黒
の順に高くなります。
(それでも、色相の違いの方が、より表面温度に影響する)
つまり、色にこだわる必要がなければ、高いお金を出して遮熱塗料を塗るより、より明るい色にすれば良いし、予算があるならより耐久性のある材料(つまり、アクリル<ウレタン<シリコン塗料)
にした方が、よほど経済的かと。
以上が実験結果です。
間違っても、
「この遮熱塗料を塗ればエアコンが要らないくらい涼しいですよ」
なんて営業トークに引っかかっちゃダメです。
【住んでるお宅を見に行こう!】
開催日:平成23年7月30日(土) - リフォームのお話 | comments (0) | trackbacks (0)
Comments