- 2011.07.05 火曜日
- 富士宮市の平屋のパッシブソーラーの家です。
昨日は、「高断熱と熱帯夜」について触れましたが、最も分かりやすいのは、クール宅配便でしょうか。
そもそも、断熱材とは何か?
と聞かれたら何と答えますか?
「熱を跳ね返す材料」…×。0点です。
「熱を遮る材料」…う〜ん、厳しいけどまだ×かなぁ。
「熱の侵入を防ぐ材料」…まだ△です。
正しくは、
「熱の伝わりを遅くする材料」です。
クール宅配便で、発泡スチロールの箱に入れますが、冷凍庫で凍らせた食材を入れようが、反対に、熱々のスープやお味噌汁を入れようが、食材が溶けにくかったり、冷めにくかったりするのは、すべてこの「熱の伝わりが遅くなる」ためです。
断熱材を高性能にして分厚くすると、熱の伝わり方が非常に遅くなります。
ただ、遅くなるだけなので、時間差で伝わってきます。
そして性能や厚さがあるほど、ゆっくりじっくり伝わってくるので、蓄熱・蓄冷の効果があるわけです。
夏に熱せられた断熱材は、夜になっても蓄熱暖房と同じ効果で、輻射熱を出し続けます。
熱帯夜を助長するわけですね。
だから、「魔法瓶の家」みたいなセールストークで売っている場合、
「24時間365日、窓は閉め切って冷暖房は一台で付けっぱなしでもこんなに安い光熱費」
となります。
付けっぱなしでもこんなに安い、のではなく、消すととんでもないことになる、の方が近いのかも知れませんね。
もちろん、冬も同じ。
私は以前北海道に住んでいましたが、お正月に何日か家を留守にすると、帰ってきて暖房をガンガン焚こうが、床下からシンシンと冷気が上がってくる感じがしました。
冷輻射です。
つまり、
夏は、いかに熱気を家(断熱層も含め)に入れないか、
冬は、いかに熱気を採り入れて逃がさないか、
が、何より肝心なわけです。
で、前置きが長くなりましたが、
屋根風景。
次世代パッシブソーラーそよ風のチャンバーを取り付けています。
ずらりと並んだチャンバー。
木の桟の間を通ってきた空気が、
このチャンバーに集まります。
チャンバーの中央には、この様なメインのチャンバーがあります。
夏は、この小さなファン(三つある黒い丸いの)で、家に熱気を採り入れることなく、排熱をしてしまいます。
つまり、先ほど書いた、
「夏は、いかに熱気を家(断熱層も含め)に入れないか」
をこいつが解決してくれます。
断熱材自体を熱くさせないわけですね。
ちなみに、夏の夜は、屋根で放射冷却を起こした温度・湿度が下がった空気を床下に送ります。
熱帯夜対策です。
【住んでるお宅を見に行こう!】
開催日:平成23年7月30日(土) - 桧の家 住宅のお話し | comments (0) | trackbacks (0)
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