- 2011.02.02 水曜日
- 裾野市の次世代パッシブソーラーの「そよ風」搭載の、長期優良住宅先導事業のお宅です。
外壁は、天然素材100%のオーストリア漆喰塗りですが、室内は、今回は北海道産ホタテシックイ塗りとしました。
なぜ、今回ホタテ漆喰にしたかと申しますと、
・マクスが加盟する町の工務店ネットのメンバーである北海道の小松建設さん
が開発された商品であって、
・工務店ネットのメンバーが各地で使用したこのホタテ漆喰の現場を見せていただき、
その仕上がりの美しさに魅せられ、
・私自身、7年も住んだ北海道への哀愁と感謝の気持ちもございまして、
採用しました。
上記小松建設さんの開発秘話は、住まいネット新聞「びお」のこちらのページで紹介されておりますのでご覧下さい。
で、早速そのホタテ漆喰をご紹介…
したいのですが、漆喰を塗る前には、下地処理が何より大事なのです。
写真は石膏ボードのジョイントつまりボートとボードの繋ぎ目と、ボードを固定するビスの穴、をパテで埋めて平滑にしている所です。
これを丁寧にやらないと、仕上げが美しくありません。
ちなみに石膏ボードは、今から百年以上も前にアメリカで発明された建材で、塗り壁やビニールクロスの下地として、現在最も普及している建材と言えると思います。
石膏を芯材に両面が紙で被覆され、ボード状になっており、衝撃にもわりと強く、耐火性・断熱性・防音性があり、簡単に切れ、しかも安い、となれば、なかなかこれに変わる建材が無いのが実情です。
原料の石膏は、天然に産出される物のほか、火力発電所の排煙処理の工程で産出される(いわば産廃)物から作られ、被覆する紙も古紙などのリサイクル材が使われているとあって、それだけ見ると「エコやなぁ〜」といった感じですが、建築時の端材や、解体・リフォームで廃棄される石膏ボードは、燃えない為に土中に埋め立てられると、硫酸塩還元細菌により、有毒な硫化水素を発生させるため、深刻な環境問題ともなっております。
石膏とそれを被覆する紙は、接着剤ではなく、製造時の石膏の乾燥工程で物理的にくっつけるのだそうですが、紙と紙の接着にはやはり接着剤が使われており、独特の臭いがすることも事実です。
もっとも、それまでを化学物質っ!と毛嫌いすると、家そのものを建てるのが難しくなりますので、要は、どこまでが許容範囲かという事でしょう。
また近年、石膏ボードに「ホルムアルデヒド吸着能力」なるものを持たせた商品も出回っておりますが、そもそもビニールクロスを施工する工程での糊、ビニールクロスのそのものに含まれる可塑剤等々をみんな吸着するというのは、…う〜ん本当かなと思いますね。
実際、そのボード(石膏ボードはほぼ独占市場なので商品名出しても良いでしょう:ハイクリンボード)+ビニールクロスにすると、やっぱりお引き渡し前に締め切ってると目がチカチカしますし…。
というわけで、やっぱり、肌に直接触れる、吸う空気が直接その環境下にある「仕上げ」をまずは大事にすべきかと。
こちらは和室。
右の方は、まだ断熱材(現場発泡吹き付けウレタン断熱)が見えます。
左の方の灰色に見える所は、先ほどの下地と異なり、「ラスボード」というもので、表面に無数の穴があり、その穴に左官職人が下地を取り、さらに仕上げの漆喰を塗るという二工程の湿式用の下地です。
左官職人が一回目の塗り行程を終えた所。
小さいので分かりづらいですが、ラスボードの穴が見えません。
こうして一度下地を取るより、通常の石膏ボードへの直塗りの仕上がりよりも、塗り壁独特の素材感を出す事が出来ます。
(和室なのでちょっと贅沢を…)
脱線しまくりましたので、その「仕上げ」は、動画付きで明日に続きます。
そんな現場の見学会情報 ↓
平成23年2月20日(日) 完全予約制
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