- 2010.03.31 水曜日
- 先週は、マクスで加盟している町の工務店ネットの勉強会があり、伊勢に行ってきました。
そんなわけで、今回もブログのネタ探しに駆け足で寄り道してきましたので、
「ミニ建物探訪」シリーズです。
今回行ってきたのは、三重県桑名市の六華苑(ろっかえん)です。
※1 雨なので写真が暗くてすみません。
※2 ちゃんと撮影許可とりました。
六華苑は、明治時代に日本一の大地主となった諸戸清六の大邸宅で、諸戸家から市に寄贈され、現在は国の重要文化財になっています。
この重要文化財は、山林王とまで言われた諸戸清六が贅を尽くした和館と、併設する(内部で繋がっている)ジョサイア・コンドル設計の洋館からなります。
先日NHKの『美の壺』でも、「昭和レトロの家」と題して和と洋の合体した家を紹介していましたが、今回見てきた建物は、その超豪華版、といった感じでした。
洋館の部分がこちらです。
塔の様式など、分類で言えば、ヴィクトリアンスタイルになるのでしょうが、ヴィクトリアンと言えば急勾配の屋根のクロスゲーブルが最大の特徴。
その意味では、和館を併設することを前提に、屋根の形状を設計したのだろうな…
などと勝手に解釈しました。
ジョサイア・コンドルと言えば、歴史の教科書でも有名な鹿鳴館の設計者。
英国生まれで、日本にはお雇い外国人として来日し、政府関連建物の設計を手がけ、多くの日本人建築家を育て、日本建築界の礎を築いた一人とされています。
内部はこんな感じ。
塔の内部は…
階段のこんなデザインなんかにも細かい気配りを感じますよね。
アンティークの家具。
長く使えるのは、やっぱり本物の証ですね。
家ももちろん…ですね。
塔と並んで象徴的な、出窓状のサンルーム。
美しいですねぇ〜。
ため息出ます。
さてさて、
コンドル先生のヴィクトリア様式の建物って…
と大いに期待していったのですが、実は、庭園と和館、数寄屋の離れの方には、さらに数段ウットリしてしまいました。
もちろん、この美しい庭園越しの洋館もすんばらしかったですけど。
こんな感じで洋館とつながっている和館に行くと…
すごい和室。
さすが山林王。
書院の窓の地板は屋久杉。
ここから見ると、庭園に設けた滝が見えます。
滝ですよ、滝!(結構大きい)
材料もさることながら、手の込んだ仕事の数々。
この電気は当時のままだそうですが、柱(鴨居の吊束)の中に電線を通しています。
こちらの釘止めは、
写真が小さいですけど、菊と桐になっています。
どんな高貴な方が来ても失礼が無いようにこの紋になっているとのことで、不敬にあたる五七桐にならないよう、五−六−五の桐の葉になっています。
これを、欄間の桐の一枚板にも透かし彫りにしてあり、桐のような柔らかい木にこの様な繊細な透かし彫りを施すのはとてもすごい技術なのだろうと想像します。
で、隣接する離れ。
こっちも美しいですねぇ。
でも、手の込み様ったらなお凄い。
長押は丸です。
桂離宮みたい。
しかも未だにトメ(材料と材料が斜めに合わさる部分)がぴたっと付いてる!
建具も凄いですよ。
写真じゃ細かく見えないでしょうけど…(すみません)。
いや〜、目の保養になりました。
伊勢出張のご報告はもう少し続きます。
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