- 2009.08.26 水曜日
- 狭隘(きょうあい)とは、狭いこと、狭い様、を表します。
狭隘な心の持ち主なら、心のせまい人を指します。
…ってそんなこと言われたくありませんねぇ。
狭隘道路とは、車がすれ違えないような狭い道を言い、建築の場合では特に、道幅4m以上無い道路を指して使われることが多いです。
建物の決まり事を決めている、建築基準法という法律では、
敷地に建物を建てる場合、その敷地は、
「4m以上の道路に2m以上接していなければならない」
と明記されています。
なので道路から奥まった敷地は、道路から自分の敷地まで、2mの幅で繋げてくるために、いわゆる旗状地と呼ばれる旗のような形の敷地が生まれます。
さて、敷地は4m以上の道路に2m以上接している部分があれば、それで良いかというと、それだけではなく、
接する道路は基本的には全て4m以上有るようにしなければいけません。
つまり、接する道路に、一部分でも、4mを切る部分が有れば、そこは4mになるように、敷地を後退させる必要があります。
これをセットバックと言います。
敷地が二面、三面と道路に面している場合には、全ての接している面で、4mに満たない部分が無いようにセットバックする必要があります。
これは、第一の理由は、消防車や救急車などの緊急車両が通れない、ということを無くすのが目的ですから、理に適った法律だと思います。
現状4m無い道路は、何が何でも無理やり広げなさい、
とまで言うのではなく、あくまでも建築行為がある場合に、セットバックすることを義務付けています。
(これならいつかは日本の道路がみんな4m以上になりることになります)
ところが実際には、道路と敷地に段差がない場合には、検査の段階では何も無いようにしておいて、検査後にセットバックしないで元の位置に塀を作ることが後を絶たず、道路がちっとも広がって行かないという現状もあります。
そこに住む人、本人の為の法律なんですが…。
さて、前説が長くなりましたが、本日は狭隘道路のご紹介。
富士市では、数年前より、この狭隘道路において、建築時にセットバックする際に補助金を出す制度があります。
条件として、
・当たり前ですがセットバックすること
・セットバックした土地は市に無償で譲渡すること
で、こうすることで、
・測量
・登記
の費用の一切を負担してくれるのと同時に、セットバックの工事に伴う、
・植栽の伐採・移設
・生垣や擁壁などの解体・新設
等に、補助金が出ます。
(市役所の建築指導課に、狭あい道路拡幅整備事業の詳しいパンフレットがあります)
で、最初の写真は、その第1段階である境界の確定をしている風景です。
道路の両向かいの地権者は勿論、市と、公嘱協会(社団法人 公共嘱託登記土地家屋調査士協会)の面々、そして私たち建設業者も集まって、ワイワイがやがや…。
現場監督の城内が私に呟きました。
「あんなに人が居てよく意見がまとまりますねぇ…」
た、確かに(笑)。
この様に、過去の記録や、現地調査などから、道路中心線を求め、そこから2mに満たない部分がセットバックする分、となります。
正確にミリ単位で位置を決め、
道路にドリルで穴を開けて、
コンクリートボンドと共に、目印となる杭(鋲)を打ちます。
こすることで、公的に敷地が確定されるので、後々の土地トラブルも回避出来る、というのも大きな利点だと思います。
ちなみに、法的に根拠を持つのは、上記のように名前が入った鋲のみです。
測量の際に目印に打つ鋲や、ガスや水道などの配管を示す物があったりしますが、名前が入った鋲以外は、場所や距離を示す物にはなりませんのでご注意下さい。
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