- 2009.05.19 火曜日
- 我ながら何て月並みな、今更感のある、安直なタイトルの付け方…。
と書けばお分かりの通り、毎年やるぞやるぞと言って時期を逃してきた、会社の壁面緑化を始めました。
整理整頓が苦手な私、机はいっつも書類の山。
そこで、一人事務所の二階にデスクを移動し、会議室一室を社長室として占領したまでは良いのですが、紺屋の白袴というのでしょうか、マクスの事務所は断熱&遮熱がなっていない!
夏の二階は恐ろしく熱いのです。
しかも、エアコンが苦手な私、どんなに熱くても扇風機&シャツ一丁。
急な来客時は急いでワイシャツを着てネクタイを締める…。
って、そんな告白はどうでも良いので緑のカーテンに話を戻しましょう。
冒頭の写真のように、二階の南面のベランダにホームセンターで購入したナイロンのネットを取付け…、
先日長男と一緒にプランターにゴーヤの苗を植えました。
植えて三日、
誘導用に置いた桧の棒っきれに早速巻き付き始めました!
おーっ、頑張れゴーヤさん!
今年の夏はこのゴーヤさんが、南面のベランダと窓を覆い、涼しく過ごせるでしょう!!
ブログでも時々成長過程をご紹介します。
ゴールは勿論ゴーヤチャンプルーです(笑)。
さて、こっからはいつものように長くなります。
お時間有る方だけお付き合い下さいませ。
そもそも、この緑のカーテンの有効性についてふれてみましょう。
日傘をイメージすればお分かりのように、窓自体を日陰にしてやれば、その部屋の温度をかなり下げる事が出来ます。
勿論その温度は部屋の条件によって違いますので、何度下がるなどとは書けませんが。
でも、建築上、日射熱の遮蔽効果については、ちゃんと研究されています。
例えば、厚さ6ミリの普通の透明なガラスに日が差す場合、その8割が熱として室内に伝わります。
そこで、窓にブラインドをしてみましょう。
勿論通常の使用通り、室内側です。
すると、室内に伝わる熱は、8割→5割に減ります。
ま、カーテンを閉めてやるだけで、夏の暑さを少しは凌げるという勘定ですね。
では、このブラインドが窓の外側にあったらどうなんだろうと見てみると、室内側への伝わる熱は、2割に減ります。
かなりですね!
そう、考えれば当たり前と言えばそれまでですが、夏の太陽の熱は、外側で遮るのが一番なのです。
だから、昔から日本の家は、庇が深く出ているのです。
さて、最近は、ガラス自体に日射遮蔽効果が有るガラスがあります。
・高層ビルに見られる鏡のように景色が反射しているのが、
金属酸化物を焼き付けた熱線反射ガラス。
・同じくビルでブロンズ・グレー・グリーン等、美しい色彩を持っている、
ガラス自体の成分の中に微量の金属が含まれる熱線吸収ガラス。
・住宅では、金属膜をコーティングして遮熱効果があるLow-eガラス。
基本的にビルでは熱いからって窓を開けるわけにいかないので、エアコンの効きを良くするためには反射・吸収ガラスを使うわけですが、どちらも先程の例で言えば7割程度は室内に熱が伝わるので、いかに緑のカーテンが有効かが分かります。
そして、住宅のLow-eガラス。
当然普通のガラスより高いのですが、日射熱を反射する分、冬には寒くなりがち。
ビルの反射・吸収ガラスよりも赤外線を通しやすくしたり、コーティング面を複層ガラスのどちらにするかで工夫はなされていますが、やはり価格と冬の遮熱はデメリットかと。
やはり、日本の家は、日本の家の知恵である、軒を深く出す、霧除けを付ける、といった事の方がはるかに効果があります。
そして、リフォームでは、お金をかけずに自分で簡単に出来て、効果も絶大、最後は食べられる、そんな楽しいリフォームこそ、緑のカーテンなのです。
もちろん、外国にも同じ様な知恵はありまして、近代建築の巨匠、ル・コルビジュエのブリーズ・ソレイユ等は有名です。
画像検索していただくと画像でお分かり頂けると思いますが、ルーバーを意匠的に建築に取り込んで、日射量を調整しています。
それから、ライトシェルフと呼ばれる日射調整法もあります。
日本の霧除けのように、窓に庇を付けて日光を遮り、同時にこの庇の上にも窓があって、そちらからは庇に反射した光を室内に採り入れる方法です。
ゴーヤから何でこんなにダラダラ長いブログになるのかは不明ですが、要は、高い建材を選べばいい家になるのではなく、理に適った設計をすると、快適で良い家になると言う事でございます。
ささ、ゴーヤさんに水やり水やり…
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Comments
季凛さんを見習って、無農薬野菜にチャレンジです。
まさに、”Simple is best.”です。