- 2009.04.09 木曜日
- 只今富士市で建設中の、次世代パッシブソーラーそよ風搭載の家です。
コンクリートの基礎がしっかり固まるのを待つ養生期間。
つまり、今は上棟を待つ状態です。
さて、お施主様から、
「基礎にひび割れがあるのではないでしょうか?」
とご質問を頂きましたので、この場を借りてご紹介です。
将来ポーチになる部分。
写真で矢印の部分に…
こんな感じで確かに二本、ヒビがありますね。
もし自分の家だったら、気にならない人は絶対居ないはず!
あ、でもこれは、心配要らない種類のものです。
コンクリートは、固まる時に、どうしても乾燥収縮が起きます。
そうすると、微細なヒビが入ることがあります。
髪の毛のようなヒビと言うことでヘアークラックと呼ばれます。
幅何ミリまでをヘアークラックと呼ぶのか、規定があるのか知りませんが、通常幅1ミリくらいまでを言うのだと思います。
幅0.3ミリ程度で有れば問題有りませんが、それ以上は補修した方が良いと思います。
理由は、以下の通りです。
・コンクリートはアルカリ性
・中の鉄筋は酸性になると錆びる
・ヒビから雨水などが浸入すると、コンクリートのアルカリ性が弱くなる(中性化)
あと、ヒビに入った水が凍る時に膨張してヒビを広げる、というのも言われています。
で、問題のクラックは、実は基礎に入った物ではありません。
図面で見ると、
基礎の上に、タイル下地として高さを合わせて基礎の上から打ったコンクリートにヒビが入ったものです。
タイルの下地は、職人は「ぱさ」と呼んだりしますが、砂にセメントを混ぜたパサパサのものを、タイルの下地、つまりかさ上げ用に使いますが、新築の際には、コンクリートで打っちゃいます。
車が乗るわけでもないし、下にはちゃんと本物の基礎があるので、後から打ったこのタイル下地用のコンクリートには、鉄筋も入っていません。
上の写真は以前もご紹介した配筋途中の写真。
冒頭の写真とアングルが違うのですが、玄関やポーチの下までちゃんと本物のベタ基礎があるのがお分かり頂けると思います。
このベタ基礎の上に打ったタイル下地にヒビが入ったわけです。
そんなわけで、この部分のクラックは、構造的にも全く問題がないものでございます。
以上お施主様用(笑)。
さて、ちょっと話は逸れますが、ヘアークラックの定義などをネットで調べていて、気になったことがあるので例によって脱線です。
「基礎にヒビがあるのですけど大丈夫でしょうか?」
と掲示板に質問している方が凄く多いのに驚かされます。
何も基礎に限ったことではなく、家造りの様々な疑問、些細なことから深刻なトラブルまで、多種多様な質問がされ、専門家や家造り経験者や一般の人が入り交じってそれに回答を寄せています。
パソコンソフトのトラブルの解決などには、私も良くQ&Aを検索して随分助かっていますし、何かを購入する際には、口コミ情報を調べるのも、今や当たり前の時代です。
ただ、気になるのは、何か疑問に思った時、それを担当者や依頼している会社に質問せず、いきなりネットに答を求めようとする人が多いように感じます。
私は、これは、有る意味とても危険だと思っています。
その現場毎の環境条件・予算条件、今までの打合せの経緯、そういったことを全く無視して(故意にではなく知らずにという意味)、責任のない第三者がするコメントを全てだと思いこむのは、やはりやめた方が良いと思います。
最近は、家造りをブログに書きとめる方も多いです。
一生の記念にとても良い事だと思います。
でも、ここでもやはり、写真付きで
「こんな工事って良いのだろうか?」
「欠陥じゃないだろうか?」
「皆さんどう思います?」
っていうブログも目にとまります。
やはり、まずは担当者に聞いてみる、納得するまで話してみる、それでも不信感がつのるようならネットで公開してでも戦う、ってのが本当だと思うのですが。
このヘアークラックについて検索した際も、
「基礎に小さなヒビが■ヶ所有るのですが大丈夫でしょうか?」
と言う質問に対し、
「構造クラックの危険があります」とか、
「業者の養生不足は否めないでしょう」とか、
現場見もしないで分かるの?
と思うわけです。
でも、質問した人は絶対建設中の会社に不信感持っちゃいますよね。
それは不幸なことだと思いませんでしょうか?
人がやる事だから、完璧な仕事を目指してはいても、失敗なんてあり得ない、と言うのは誇大広告以外の何物でもありません。
欠陥に繋がるような大掛かりなのは話は別ですけど、小さなミスは、素直に謝って、失敗する前の状態にやり直すことです。
それが信頼関係だと思います。
その信頼関係を築けなかったら、
施主は手抜きされないか目を光らせている、
業者は文句言われないようにさっさとこの現場を終わらせて出て行きたい、
これでは、一緒になってより良いものを造ろう!
何て事は不可能です。
お陰様で、信頼関係を築けたお客様としか工事をしていない、と言うと格好いいですが、実際には、信頼関係を築けたお客様からしか、最終的に契約出来ないので、楽しく家造りをさせて頂いております。
その点、数で勝負の所は大変だろうなぁ…と思うのは負け惜しみでしょうか?
↑自然素材を扱う工務店のブログが集まってます【日本ブログ村】 - 桧の家 住宅のお話し > 【富士市】パッシブソーラー | comments (0) | trackbacks (0)
Comments