- 2009.03.31 火曜日
- 小学校の入学式も近くなり、手造り勉強机プロジェクトも、いよいよ、おケツに火がついてしまいました。
ひきだし(漢字では抽斗と書きます)の収まるいわゆるキャビネット部分は、パイン系(○○松といった様々な松の総称)の集成板(フリーパネル)で製作すると前回書いたのですが、天板は別。
天板は、タモのフリーパネルです。
こちらも集成と言えば集成材なのですが、パインのフリーパネルが小木片のパッチワーク状なのに対して、こちらは無垢の板を接いだ形状ですので、集成と呼んだら可哀想です(詳しくは最後に)。
ちなみに本題と逸れますが、タモは、バットの材料として有名ですね。
バットと言えばアオダモ。
強度としなやかさを兼ね備えた木だからバットに適しているんでしょうが、このタモの集成板がアオダモかどうかは不明です。
というのも、木は魚などの食べ物同様に地方によって呼び名が変わり、東北地方では、ニレをタモと呼ぶ所もあるとか…。
いやそうではなく、アオダモがタモで、アカダモがニレだとか…。
実に紛らわしいです。
調べると、タモは、
ゴマノハグサ目 モクセイ科 トネリコ属。
って事は、庭木として人気が高いシマトネリコはタモの仲間…?(多分そうでしょう)
ちなみに、
ゴマノハグサ目 モクセイ科 モクセイ属、
は、キンモクセイやヒイラギが所属。
ってことはタモとキンモクセイって近いんですね(そういえば重さは似てる)。
でニレは、
イラクサ目 ニレ科 ニレ属。
ニレと言えば一般にハルニレ。
英名はエルム(大きくそびえるエルムの梢〜♪って学生時代歌ったなぁ)。
ちなみに、
イラクサ目 ニレ科 ケヤキ属、
にはケヤキ(欅)があります。
要はニレとタモは別物。
例によって大脱線しましたが、
表面をアップすると、この様に毛羽立っているのが分かります。
これを、サンドペーパーで、順に目の細かさを細かくしながら、丁寧に平滑にして行きます(それが冒頭写真の機械)。
すると、下記の写真の様になります。
この工程を手抜きするとキレイに仕上がりません。
次に塗装。
自然素材塗料で塗ります。
コツは塗ると言うより、気合いで拭き取る。
とにかく「気合い」の作業です。
「気合い」でゴシゴシ拭き取らないと色ムラが出ます。
さらにこの後、目の細かいペーパーを当てると、色塗りでこすった際に再び起きてしまった木の目を平滑に出来、表面がツルツルピカピカになります。
塗った跡を見ると、長い無垢の板を並べて一枚の板になっているのがお分かり頂けると思います。
だから、細かい木切れの継ぎ接ぎと一緒にして集成材と呼んだら可哀想だと思うんですね。
めでたし・めでたし。
とここでさらに補足。
自然素材塗料、と一口に言ってもコレがなかなかくせ者で、以前東京都が自然塗料で実験をしたら、ホルムアルデヒドが沢山出た、という笑えない事実もあります。
(東京都の当該ページ「意外なことに、自然塗料からもホルムアルデヒドが…」はこちら)。
冒頭の写真の自然素材塗料の春風(写真両サイド)は、イソパラフィンという溶剤を含み、この溶剤は、FDA(米国食品医薬品局、日本の厚生労働省に相当する機関)でも、
【体内に蓄積されることなく、不活性なため、非常に安全性が高い】
と認定されて化粧品にも使われている成分ですが、
環境先進国ドイツでは、コレが入っていると自然塗料と呼べない、のも事実のようです。
塗料・ワックス・クロスのノリ等は、仕上がり面により近いので、揮発性有機物質を室内に放出しやすく、特に赤ちゃんには気を使いたい部分です。
アトピーのお子さんなどには、より厳しい基準の自然塗料(ドイツのリボスやオスモ(冒頭写真中央))がお勧めです(やや高いんですが)。
ただ「天板を塗りました」ですむブログをここまで長く書く私は「ブログ病」?
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Comments
クライアントより、
「父ちゃん、学校始まるまでに間に合うんでしょうね!」
と厳しい納期厳守令が出ております。
日曜日に納品しないと…(汗)。
パインは油分が多いから、
塗装のムラが出やすかろう。
良か机ができそー。