- 2008.10.02 木曜日
- 本日は、地盤調査法の一つ、「標準貫入試験」についてのお話しです。
通常、住宅の地盤調査と言えば、「SS(スウェーデンサウンディング)」か「表面波探査」が一般的です。
上記の写真は、以前富士市で検査した時のものです。
どんなものでもそうですが、この二つの検査も一長一短があります。
でも共通して言えるのは、10m程度の深さまでした正確には分かりません。
一般的に、それくらいの深さまでに固い層があり、特に富士市・富士宮市などは岩盤質なので、これらで十分その調査の目的を果たすことが出来ます。
また、富士・富士宮では、造成地や沼津に近い東部以外は、地盤補強も必要になることは稀です。
本日のお話しは三島市ですが、上記SSで、地盤が弱すぎることが判明、また、地盤補強として杭を打つ工事をするのに、固い層(支持層)がSSで確認出来なかったため、標準貫入試験を行ったものです。
「標準貫入試験」で検索しても、ブログなどであまり出てこないので、全国的にも、住宅ではそれほどメジャーな試験というわけではない(SSや表面波で分かってしまうので)様なので、書いてみようと思います。
標準貫入試験では、この様にまず5m程のやぐらを組みます。
ここにボーリングをしつつ同時に各地層(1m毎)の試料採取を行うわけですが、下の写真のように、打ち込むロッドよりやや大きめに水で溶かしながら穴を開けて、試験層以浅の部分での摩擦が無いようにします。
上の写真は、ロッドに15cmと30cmの印を付けています。
その後、63.5±0.5kgのハンマーを、76±1cmの所から落下させ、打撃貫入します。
15cm予備打ちをし、その後30cmロッドが貫入するのに、何回ハンマーを打撃したかを数えます。
これがN値です。
例えば、4回打って30cm沈んだらN値=4、10回ならN値=10です。
SSでも表面波でも、結果をこのN値に換算します。
このN値から、地耐力、つまり地盤の強さを換算しますが、これ以上細かい話を書いても仕方がないのですが、砂層ならN値が30〜50位の固い層まで杭を届かせる必要があります。
もちろん、その固い層の下にまた柔らかい層ということもあり得ますので、固い層がどれくらいの深さ有るかも調べます。
打ち込むロッドの先には、サンプラーと呼ぶ部分が付いていまして、
先端がパカッと割れて打ち込んだ際に採取した土をサンプリングすることが出来ます。
と、こんな具合に検査をしたわけですが、支持層の深さが17m…深いっ。
これから家を建てようとするお客様には、目に見える部分でもないので、余計な出費とも言えるわけで、お客様の気持ちを思うと、やはりブルーに…。
私が落ち込んでいるとお客様の落ち込んでしまうので、何とか気持ちを入れ替えて、丈夫で長持ちする家を造るようにしなければ!
と思うのでした。
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