- 2008.02.20 水曜日
- 静岡県富士市の板倉造り工法の新築住宅工事現場です。
昨日は、現場監督の城内に加え、他の監督と総務の篠原まで招集されて、みんなでワックスかけに行っていました。
(私は腰痛のため終わった頃こっそり見に行きました)
板倉造りの家は、無垢の木で出来た自然素材の家ですから、当然ですが、塗料やワックスも自然素材の物を使います。
ミツバチの巣のロウとエゴマ油で出来た「蜜鑞ワックス」を使うことが多いですが、今回現場監督の城内が選んだのは、米ぬかワックス。
液状なので、後々お施主様が自分で塗るのにも塗りやすい、と言うのが彼の選んだ理由。
うん、納得。
米ぬかは、昔から木材の掃除とつや出しに使われてきた物。
最近は美容や健康食品としても見直されていますね。
梁や壁にしぶい微妙なツヤが出ました。
以前ご紹介した桜の床。
こちらは工場塗装ですが、やはり自然素材のオイルが塗られています。
今回の板倉造りの家は、
「新建材を使わずに自然素材のみで造る」
と言うコンセプトよりむしろ、
「本物の木に囲まれた気持ちの良い雰囲気の家」
と言うものです。
ですから、下地の合板や石膏ボードも適時適所で利用しています。
棚なども、小さな木を接着剤で組み合わせた集成材を使っています。
集成材の接着剤についてちょっと書きますと、現在流通している物には、イソシアネート系接着剤と、レゾルシノール系接着剤があります。
イソシアネート系は、最近使われ始めた接着剤ですが、水性溶剤のため、揮発性有機化合物などの毒性が低く、見た目も白っぽいので、できあがった集成材が綺麗であるため、主流になりつつあります。
レゾルシノール系は、昔から使われている接着剤で、油性溶剤で、揮発性有機化合物を含むので、シックハウスなどの毒性が心配され、見た目も黒いので、最近は敬遠されがちです。
体育館やプールなどの公共建築物木造のものは、全てこのレゾルシノール系接着剤です。
何故かというと、接着力が強く、剥離の心配がないからです。
前者のイソシアネート系接着剤は、安全性が高い反面、接着力が弱く、剥離などの事故が後を絶ちません。
住宅の構造材に使われる集成材の柱や梁は、最近ではイソシアネート系接着剤のものが、シックハウス対策で主流だと思います。
でも、「プールにも使われてるくらいだから、丈夫で頑丈です」という営業トークは、この事から見てちょっと的はずれだと思いますね。
ちょっとした棚なんかは集成材でも良いと思うんですけど、構造材は、やっぱり無垢材が安心だと、私は思います。
話は逸れますが、
最近、中国製餃子で一色ですが、狂牛病騒ぎの時も、あれだけ大騒ぎした割に、実質的な健康被害者は、日本では出ていなかった様な気がします。
今回の餃子事件。
実際に被害者が出ていますし、食の安全という大問題なのですが、ニュースで大々的に流れていますが、被害に遭われた方は、100人は居ないのではないでしょうか。
(もちろん数は問題じゃないです。とんでもない事件に違いはありません)
でも、報道こそされないけど、住宅のシックハウスの被害者って、潜在的にもっと多いんじゃないかと思うんですね。
家を建てる側は、もっともっと、この問題に真剣に取り組まなければいけないと思う所です。 - 板倉造りの住宅 建築現場より | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
でも、最近流行の「形状記憶」って、確かホルマリンが使われて居るんじゃなかったかと…。
安全性は?ですね。
ところで、もう一つの文化である”衣”は、この種の問題に遭遇しません。
何故?