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紀州の森で見た面白いもの

昨日で紀州の森の視察記が終わり、と思ったら、もう一回おまけです(笑)。

今回は、山で見かけた面白いものをご紹介します。


まずはこれ。

s-080208 (1).jpg

熊野古道で見かけたのですが、この木はケヤキです。
ケヤキだけど、流行のネーミングで行けば、ど根性ケヤキでしょう。

写真だと分かりにくいと思いますが、このケヤキの根本の岩、私の身長を遙かに超えています。

その大きな岩を飲み込む様に根を伸ばしています。

岩の上に僅かにつもった土に落ち、実生(みしょう)のケヤキが、土を求めてここまでになった?
そんなこと可能なのかな…?
真相は不明です。


次はこれ。

s-080208 (3).jpg

桧の皮がむけているのが分かりますか?

これは、シカさんが食べたものです。

近年のシカ被害は、林業にとってかなり深刻だそうです。

少しぐらい食べても良いじゃない、と思いますが、実はこうなると、その部分から腐朽菌が入り、腐ってしまうんですね。

森の木を石やナイフで傷付けるのはやめましょうね。


次はこれ。

s-080208 (2).jpg

木を切ったものを放置すると、この様に腐ります。

腐るとは、上記の腐朽菌(空気中に飛んでます)が、適度な温度と適度の湿度があると繁殖することです。

よく見ると、外側の部分だけ腐朽菌に食べられているのが分かりますね。

これはどういう事かというと、木には、中心の赤い部分(あかみ)と、外側の白い部分(しらた)が有ります。

杉の様に、この赤身と白太がくっきり(なので源平と言います)分かれる木も有れば、桧の様に、あまりはっきりしない木もあります。

樹種により異なるものの、赤身は既に成長が止まった部分、白い部分は盛んに成長している部分、と考えればほぼ間違い有りません。

実は赤身の部分は、固く、様々なフェノール類やタンニン等の抽出成分が多く含まれ、腐朽菌の繁殖を抑えるので、腐りにくいです。

強く・腐りにくく・美しいので、建築材料としても価値が高い部分です。
杉の赤身は桧より腐りにくい、と良く言う大工も居ます。

で、写真の様に、木はこの周りの部分の白太から腐るのですが、次の写真を見て下さい。

s-080208 (4).jpg

この切り株、周りがちゃんと残っています。
まだ生きているようです。

地中で他の木と根っこで繋がっている?
としか考えられませんが、先程同様、そんなことが本当に起こるのかは不明です。


そうそう、切り株と言えば、
「切り株を見ると方角が分かる」
あれ、真っ赤な嘘だそうです。

恥ずかしながら、私も、南面は日があたるので、成長が早く、年輪の幅が広くなるから、そちらが南、と思っていましたが、そうではないそうです。

斜面に生えている木は、踏ん張らないとそのままでは谷側に倒れてしまうので、谷側の細胞の成長を良くして踏ん張ろうとするために、谷側の年輪幅が広くなる、と言うのが正解だそうです。

ちなみに、
「山の南面と北面では、どちらの木の成長が早い?」
と言うクイズにも、私はまんまと引っかかりました。

正解は北面だそうです。

日があたる南面の成長が良い様な気がしますが、日があたらない北面の方が、ジメジメしていて、腐朽菌の活動が活発で、枯れ葉や小枝を腐らせるのが早く、必然的に土の栄養度が高いために、北面の木の生長の方がよいとのことでした。


つぎはこれ。

s-080208 (5).jpg

真ん中の杉の木の上の方に、こんもりとした固まりが見えます。

一見宿り木か?と思いますが、よく見ると、杉の葉の固まりです。

s-080208 (6).jpg

う〜ん、写真では分からないですね。
でも、突然変異のようです。

突然変異と言えば、これ。

s-080208 (9).jpg

以前新築したお宅の和室です。

最近は和室の無い家が増えましたが、本格的な和室は洋室よりも遙かにお金もかかるので、仕方がないことかも知れません。

このお宅は、お施主様が材木店勤務であったこともあり、材料にはかなりこだわったのですが、床柱は、天然の絞り丸太です。

絞り丸太というのは、表面に細かい縦皺がある杉の木なのですが、模様によって8種ほど種類があります。

それぞれ品種名が付いていて園芸の様ですが、突然変異の木を園芸の様に品種改良されてきたものです。

これがその絞り丸太。

s-080208 (8).jpg

表面がボコボコしているのが分かりますか?
これをキレイに皮をむくと床柱になります。

根元を見ると、

s-080208.jpg

途中で太さが変わっていますね。

これは、接ぎ木と言って、欲しい木(この場合絞り丸太の苗木)を、普通の木の先端にくくりつけて繋ぐ技術です。

s-080208 (7).jpg

これくらい、ちょこっとを先端に繋ぐそうです。


ここで、
ん?
何かおかしい?

そう思った方は鋭い!
と言うか間違っています(笑)。

「となりのトトロ」で、トトロからもらったドングリを庭に植え、夜になると、チビトトロがやってくる、
そして、サツキとメイとみんなで踊ると、芽を出した双葉が、
ぐぅわぁ〜っ、
と伸びて行くシーンありますよね。

あのシーンでは、成長に会わせて、木の枝が、上へ上へと登って行きますが、実はあれは間違いです。

木は、上に成長して行くのではなく、外側に成長して行きます。
だから年輪が出来るんですね。
大きくなるのは、上へ上へと細胞分裂して新しい細胞が出来て行きます。

ですから、出た枝は、その位置でどんどん太くなります。
枝を根元出来ると、外側にどんどん新しく木が生長して太って行くので、やがてその切り口(節)は見えなくなります。

だから、樹齢百年の木を輪切りにすると、百個の年輪があるのは一番根元だけです。
上に行くに従って、50本、30本、と減って行き、一番上は1本です。

だから、さっきの写真で、小さな苗木の時に、先端で接ぎ木をした位置が、あの太さが異なる部分だったと言うことになります。

ご存じでした?



はぃ、今回も長くなってしまいました。

森のおもしろさが少しでも伝わったら嬉しいです。

そして、日本の木の良さ、木の家の良さを再認識して頂けたらと思います。
桧の家 住宅のお話し | comments (4) | trackbacks (0)

Comments

鈴木 | 2008/02/10 09:32 AM
以前花粉症のご家族の家を、マクスの「板倉造り」で新築したところ、花粉症が治った・軽減した、と言うお話をお聞きました。

今も富士市で建設中の板倉造りの家は、杉で出来ていますが、もちろん花粉は未使用です。

新建材に頼らない家造りをすることで、シックハウスのみならず、花粉症も軽減するのかも? と密かに期待を寄せています。
 Mr.マクロ | 2008/02/10 12:07 AM
 自分は、マクロビオティックをモチーフとする食生活にしたら、花粉症が治りました。

 ですから、かつては、忌み嫌った春も、今や”春”を堪能させて頂いております。

 四季を感じながらの生活。山紫水明の国に生まれた宿世。

 そして、日本人として生まれたからには、次の世代に何が何でも、この素晴らしさ、是非受け継がせたいものです。
鈴木 | 2008/02/09 09:41 AM
花粉症って事ですね(笑)。

ただ、森に行くといつも思いますが、周辺に住んでいる人たちに、花粉症の人は皆無と言っていいほど居ません。

都会の汚染された空気やファーストフードの過酸化脂質と合わさると花粉症を起こすという説があるようですが、私もそうではないかと思っています。

また、杉・桧も、山が荒れると、子孫を残そうと必死に花粉を大量生産します。

杉・桧だけを悪者にはしないで欲しいと思います。

ま、私が花粉症じゃないkらいえる意見ですが…。
あねご | 2008/02/09 12:22 AM
素敵な森林を堪能されたのですね。
お隣のいま話題の国が
すごく産業発展していて
今、環境汚染が心配されています。
そう
「酸性雨」

久しく聞かなかった言葉ですが
ひたひたと押し寄せているらしく
一説によると
屋久杉は枯れるという心配もあるんですってね。

日本の森林はまだまだもってほしいですが
あたしは、できれば、杉と檜は勘弁してほしいっす(笑)

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