- 2008.01.19 土曜日
- 昨日の予告通り、外壁の続きです。
ベランダ側にまわると、こんな具合になっています。
アップで見てみると、
綺麗ですね〜っ。
これは、私のブログには度々登場する、ウエスタンレッドシーダーという、木です。
もちろん無垢の木です。
本物の木という意味です。
この木は、日本名は米杉ですが、銘木の代名詞、木曽五木のネズコの仲間で、桧に近い木です。
非常に腐りにくく、電柱・枕木・カヌー・外壁材・屋根材などに使われてきました。
この木は、ただ無垢と言うだけでなく、天然木です。
天然木と言うのは、枝打ち等、人の手の入っていない森から伐採された木という意味です。
魚で言えば、養殖と天然物と言ったところでしょうか。
日当たりが悪く、厳しい条件で育つので、木目が非常に細かく詰んでいます。
それだけ強く、腐りにくくなります。
私は、この外壁材が大好きで、予算が許す範囲で、少しでも貼って頂けないかとご提案しています。
もちろん、外壁に木を貼るのは私の専売特許ではありません。
最近では、木製外壁が意匠的に脚光を浴びています。
ただ、流行っているから、目立つから、綺麗だから、お客さんの要望だから…
ただただそんな理由で外壁に木を貼ってはいけないと思います。
本来、住宅に求められることは何か?
私は、家とは、「永く安心して住める」というのが必要絶対条件で有ると思っています。
安全・安心というのは、軽く考えるべきではない物です。
安易に杉板やパイン材などを貼れば、すぐに腐ることは火を見るより明らかだし、ひとたび隣家が火事となれば、これはもう、とんでもないことになります。
それを知ってか知らずか、お客様に説明なしに使うというのは、私に言わせると、もはや犯罪です。
私が外壁として採用しているこの材料は、天然木でありながら、防火性能があり、燃えない安心が負荷された材料です。
この性能は、木材への科学的な処理による性能です。
無機質での処理なので、劣化による防火性能の低下はありません。
そして、その上で、なぜこの木の羽目板を外壁に使うのか?
それは、木が好きだから、と言うのもあるのですが、街並み造りです。
外国に行くと、どなたも感じるのは、街並みが美しい事です。
それは、何を持って美しいのかと考えると、どの家も、木や石やレンガなどの自然な物をさりげなく使う、統一感ではないでしょうか?
その意味では、かつての日本の街並みは、世界に誇る美しさで、外国から訪れた人々は一様に驚嘆したというのは歴史に聞く話ですね。
白川郷の合掌造りが世界遺産に登録されたのも、統一感のある街並みだからだと思います。
やはり、日本の街並みには、昔ながらの木の家がマッチすると思うのです。
レッドシダーの故郷、カナダの街並みは…
この写真は別荘街なので一概には言えませんが、この様に美しい街並みは、形や色は違えど、外壁にどの家もレッドシダーを使っている事から来る統一感そのものです。
そこで日本を振り返ると、
・南欧風のオレンジの塗り壁
・ガルバリウムのシンプルモダン
・和風建築の入母屋住宅
・サイディングのアーリーアメリカンスタイル…
これらが軒を揃える…、こういっては何ですが、節操がないです。
「まことちゃん」の作者が、赤と白のストライプの家を造っていますが、もはや色の暴力と思えます。
あの家の建築請負主が、日本一の木造住宅メーカーを自負するハウスメーカーであるのが残念です。
最近では、小さな分譲地内の住宅をを、みな同じスタイルで作って、統一感を出す、というのが脚光を浴びています。
本当はみんな気づいて居るんですよね。
個性有る家造りと奇抜な家造りというのは、本当は違う物だと思います。 - 板倉造りの住宅 建築現場より | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
コメント有り難うございます。
また、昨日はごちそうさまでした。
昨日の料理は本物!
って、プロから見たら、まだまだ高みを目指したいのでしょうね。
一緒に、頑張って狩人のように本物を追い求めましょう!
最後の文章にもあるように、料理にも同じことが言えます。
自分オリジナルの料理を作ることに、全身全霊を傾け、お客さんに喜んでもらうのが、料理人の本分である、ということを、自分の師事した親方に教わりました。
オーソドックスにして、オリジナルというのは、難しいですが、それができてこそ、本物なのでしょうね。
目指せ!本物。