- 2012.03.15 木曜日
- ブログには、綺麗事だけ書いても、実体が伴わなければ何の意味も無い。
そう思って、「不具合があった時には、ちゃんとご報告しなくては」、と思っております。
以前にも、「色が合わなくて交換」という不具合をご紹介しましたが、今回は、新築のお宅における、桜の床板です。
無垢の桜の床板が、
冬場の乾燥で収縮し、実(さね:雄と雌の凸と凹の加工)が外れちゃったり、
割れちゃったり…。
確かに、無垢の床材は、乾燥する時期には収縮して隙間が出来ます。
そして、梅雨時期になると戻る、というのを繰り返します。
でも、これはスキすぎ。
というわけで、交換作業。
なかなか大変でございます。
午前中に1列が終わらない…(涙)。
お客様にはご迷惑おかけしています。
このお宅は、パッシブソーラーが付いているので、冬場、屋根で暖まった空気が床下に送られ、確かに乾燥はします。
そこで、大きな加湿器を導入していただいたのですが、改善せず。
直すしか方法はないと判断し、ひどい部分を張り替えることにしたのでした。
原因としては、今回使ったロットの乾燥不足しか考えられません。
同じメーカーの同じ床材は何度も使っているし、パッシブソーラー「そよ風」の現場にも入れているからです。
自然素材というのは、この様な「ばらつき」が一番のネックです。
工業規格品のような製品安定性(統一性)で劣ります。
そこを良く理解した上で使わなければいけません。
さらに、こちら。
実は、どちらも無垢の桜の床板(の切れ端)です。
ま、どちらも自然素材ですね。
よく見ると、右側のみ結露しています。
撮影時は真夏。
種明かしすると、両方とも私が冷凍庫から出してテーブルの上に並べて写真を撮ったのです。
左の桜の板は自然素材ワックス仕上げ(オイル・フィニッシュ)なのに対し、右はウレタン樹脂塗膜塗装(コーティング)です。
樹脂で表面を完全にコーティングされれば、木は湿気を吸放出出来ないので、右側の板だけ結露したんですね。
梅雨時期にはどっちが気持ちいいだろうか?
そう考えると、私は左のオイル・フィニッシュなのですが、右のウレタン樹脂仕上げは、乾燥収縮しないから今回のようなスキや割れは出ないし、傷にも汚れにも強い。
クレームが少ないから、流通量は圧倒的に右のウレタン樹脂塗装が多いのが現実です。
(自然素材には違いないんですが…)
「どっちが良いですか?」
メリット・デメリットお伝えした上で、選んでいただくのが良い方法だと私は思っています。
(こんな事があっても めげずに…)
はぃ、直した部分(中央)です。
日焼けしていないので若干色が淡いですが、半年か一年でどこを直したか完全に分からなくなると思います。
よかったよかった。
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- 桧の家 住宅のお話し | comments (4) | trackbacks (0)
Comments
無垢の床は、削ると新品の時の様に蘇るのが素晴らC〜ところですね!
家をやってくれた大工が
「どうしても床だけは無垢に」って言って(笑)
うちで一番金かかってるのは
床だと思ってるんですが。
ちなみに二階も
「ミシッ」っていう音がしたこと無いです
割れたりそったりしていない所をみると
うちも樹脂塗装膜なんだと思うなぁ。
バリアフリーの工事のとき
一旦全部削ったら
学校の廊下みたいになってたのを覚えています。
コメント有り難うございます。
質問の内容がちょっと分かりかねますが、
「工務店側と施主側のどちらに責任があって、どちらがお金を払う?」
と言う意味で宜しいでしょうか?
であれば、当然ですが今回の事象は、不具合、いわばクレームですので、弊社が無償で工事させていただいております。
クレームと言っても、お施主様も怒ってるわけではなく、建築当初からご相談いただき、様子を見させていただいてました。
本文に書かせていただいた通り、クレームで直すのは工務店側もウェルカムのわけないですから、ウレタン樹脂塗膜塗装が主流になるんでしょう。
合成樹脂(ゴム)入りの左官材も同じ理由だと思います。
自然素材ですので何とも難しい問題ですが・・・。
問題うんぬんというより、自然素材は高くメンテが大変だと思ってしまいます。
構造に支障はないのですけど、施主はやっぱ気になります(笑)。
自分は、自然素材が好きなので、あえて出るわれ、湾曲は気になりませんが♪
床材は厳しいすね・・・。