- 2009.07.07 火曜日
- 先月より何回かに分けて、鳥取・島根の出張で見た・聞いた・感じたことを書かせていただきました。
「いつまで旅行記書いてんだ!」
と怒られそうですが、何となく家造りと絡めて書いている(つもり)なので、もうちょっとだけお付き合い下さい。
さて、今回の出張に関するブログでは、
・小さな家を考える時、その広さや狭さとはどういうものか…?
・家そのものと、街並みの中の家の在り方とは…?
そんなことを書いてきたつもりですが、最終的には、では家にとって一番大切な事って何だろう?
ということになるのですが、
それはやっぱり、
『良い家は長持ちが絶対条件』
ということになるのだと思います。
何回も書かせていただいておりますが、家造りで一番大事なことは、
『永く安心して暮らせる』
事だと思っています。
で前回、木造住宅で長持ちさせるには、当たり前ですが、
「やっぱり良質な木材!」
ということで、智頭の木材や慶長杉、地域に愛される地元の杉、をご紹介しました。
そこで今回は、日本が世界に誇る長持ちする家(?):お城、をフューチャーしてみようと思います。
(ちょっと無理矢理かな〜っ…)
島根では、松江城を見てきました。
6/9のブログで、日本には国宝のお城は四つ、と書きましたが、国宝保存法が、昭和25年に文化財保護法に改正された際に、国宝から重要文化財になりましたので、以前は国宝だったんですね。
江戸以前に築城され、現在まで保存されている天守閣を現存天守というそうですが、日本には、12の現存天守閣があるそうです。
松江城もその一つ。
天守閣の平面規模で二番目、
同、高さでは三番目、
同、古さでは六番目にあたるとパンフレットにあります。
松江といえば、小泉八雲の家が有ることでも知られますが、松江城の築城の際に、盆踊りを開催し、一番美しい娘をさらって人柱にしたために、夜な夜な少女のすすり泣く声がする、と言う話もあるそうです。
堀尾氏→京極氏→松平直政と続き、明治維新に至ります。
松平直政は家康の孫。
兄忠直と真田幸村を討った人なので、大河にも出てくるかも…。
なかなかロマンです。
さて、歴史に弱い私の書くことなど参考になりませんので、建物として感じたことを。
実はウンチクはどうでもよく、単純に『美しい!』と感じました。
美しいと言われるお城は他に幾つもありますが、
何故こんなに美しいと感じたんだろう?
と自分でも思ったんですが、見学を終えてよく考えると、権威を示すための城ではなく、実戦最重要視の無駄のない、余計な物をそぎ落とした筋肉質の美しさと言うんでしょうか、質実剛健な所に強く魅せられたのだと思います。
まず、「ほぇ〜!」と感心したのはこちら。
何か分かります?
柱にアップしてみましょう。
そう、材木を寄せ集め、材木と材木を組み合わせて、太い柱にしているのです。
今で言う集成材です。
凄いですね〜っ。
こんな事を考えるんですから、昔の人は。
ちょっと横道に逸れますが、鳥取から島根に移動する途中、倉吉パークスクエアという所に寄りました。
ここは、シーザー・ぺりというアルゼンチン生まれの建築家が設計した複合施設。
シーザー・ぺりは超高層オフィスビルの数々の設計で知られ、香港で一番高い香港国際金融中心や、日本でも羽田空港第二ターミナルビル、大阪の国立国際美術館等を手がけています。
で、この建物の圧巻は、木造でもここまで可能なのかという内部の大空間。
もちろんこれは、現代の集成材技術と構造計算技術のなせる技なのですが、何百年も前に建造された松江城。
全く負けてないですよね。
さすが木造技術大国日本!
世界に誇る木造建築技術、うん、皆さん私たち日本人のこの高い技術力、誇りに思いましょう!
そして、しっかり守って行きましょう!
さて、松江城に戻ります。
実戦重視のお城、と書きましたが、どの辺が実戦重視なのかをちょっとご紹介します。
例えばここ。
ここから、石垣を登ってくる敵に石を落とす所だそうです。
あらためて外から見てみると…
ここかぁ!
ここから石を落とされたら引くよねぇ〜っ。
あと、凄いな〜と思ったのがこの階段。
年月で磨き上げられテカテカで分かりにくいのですが、段板の裏側を覗いて手で触ると、この階段が桐(きり)で出来ているのがよく分かります。
燃えにくい桐で階段を作るので、防火の意味があるのと同時に、軽いので、いよいよ攻め込まれた時には、外して引っ張り上げてしまうのです。
よく見ると溝があるのがお分かりいただけるでしょうか?
階段を外してさらに厚い戸を閉めてしまうのです。
なるほど〜っ!
天守からは松江市内・宍道湖を一望でき、いや〜良い気分。
素晴らしいお城でした。
長持ちするって美しい!(無理矢理な結論…)
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