- 2010.08.06 金曜日
- はぃ、漆喰・三部作の最終回です。
 ちょっとくどかったですが、【漆喰の正体・前編&中編】をお読みでない方は、是非そちらを読んでからご覧いただければ幸いです。
 
 
 マクスでは現在、漆喰は伝統あるメーカーの、オーストリアのデュリンガー社のものを使っています。
 
 輸入元である、江間忠合板の営業マンが、オーストリアに遊びに行った際に(失礼、真面目に勉強に出張の際)、現地で色々写真を撮ってきてくれたのでご紹介しましょう。
 
  
 
 まずはこちら。
 25年間ノーメンテナンスの南側の壁面だそうです。
 新建材で25年間ノーメンテ…あり得ないですねぇ。
 
  
 
 ↑こちらも漆喰を塗った建物。
 ↓で、こちらは漆喰ではない、左官仕上げの建物。
 
  
 
 サッシの下の雨だれが目立ちます。
 
 もひとつおまけに、こちらは…
 
  
 
 やはり漆喰ではない左官仕上げの建物ですが、ずいぶんと汚れていますね。
 
 
 これには、ちゃんと理屈があります。
 
 マクスで使っている漆喰は、100%の漆喰。
 そう、昨日のブログで行くと、100%水酸化カルシウムです。
 (表情を出すために、細かい砂は入っていますが、これはあくまでも素材感を出すためのツブツブで、藁を入れるのと同じです)
 
 つまり、完全に無機質です。
 
 通常の左官材には、合成樹脂などの有機物が含まれますが、これはいわばビニールなので、静電気を帯びます。
 ↓
 そうすると、埃などの汚れを自分で吸い付けます。
 ↓
 くっついた有機分を元に、苔が生えます。
 ↓
 苔を食べる小さな虫が来ます。
 ↓
 それを食べる蜘蛛が巣を張ります。
 
 だから、100%の漆喰だけが汚れていなかったんですね。
 
  
 
 ちなみにこちらは、フレスコ画の日時計。
 
 フレスコ画とは、Wikipediaによると、
 『フレスコは、まず壁に漆喰を塗り、その漆喰がまだ「フレスコ(新鮮)」である状態で、つまり生乾きの間に水または石灰水で溶いた顔料で描く。やり直しが効かないため、高度な計画と技術力を必要とする。』
 とあります。
 
 フレスコ画も漆喰の100%無機の石灰と顔料を使用します。
 つまり、フレスコ画などの美術品は「簡単に補修できない・しない」ということです。
 色はもちろん薄くなっていますが、この状態が残せるということが本物の良さなのです。
 
 
 なので、室内はもちろん、
 
  
 
 室外にも、
 
  
 
 この100%の漆喰を使っているわけです。
 要は長持ちするから。
 ただ単に、偏狭的に自然素材信者、と言うわけではないのです。
 これらを踏まえた上で、やっぱりビニールクロスが良い、と言う方に、そんなの偽物だ!何て言うのは横暴以外の何ものでもありません。
 
 ついでですが、漆喰にしても、珪藻土にしても、なぜみんな合成樹脂が入っているのか…?
 
  
 
 これは、マクスの打合せ室です。
 100%の漆喰を塗っていますが、超ドアップしてみると、
 
  
 
 この様に、ボードのジョイントにヘアークラックが出てしまっています。
 
 「クレームだぁ!ただでやり直せぇ!」
 って言われたら、誰だって嫌ですよね。
 
 このヘアークラックの防ぎにくさは、100%の漆喰の弱点とも言えます。
 だから、合成樹脂入りの、ひび割れしない物が多いわけです。
 安いし。
 
 ですが、施工中は換気しないと臭いし、施工後も、ライターであぶるとゴムの焼ける刺激臭がします。
 
 この事実を説明した上で、
 「どっちが良いですか?」
 と選んでもらうのがプロの仕事でしょう。
 
 
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- 桧の家 住宅のお話し | comments (0) | trackbacks (0)
 
				
		









 














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