- 2012.09.18 火曜日
- さて、九州出張のネタ、ドコまで引っ張るんだと社員から言われていますが、ラストもう一題。
 
  
 
 写真は、中年太りか、幸せ太りか、儲かりすぎて景気が良いので太っただけなのか、分かりませんが、ややメタボが気になる大分県は日本ハウジングの馬場社長。
 以前「府内町家」の見学でお邪魔しました。
 
  
 
 そんな馬場社長がセットしてくれた実験装置の前でニヤつく私。
 
 この実験箱は、よく見かける調湿性実験の箱。
 画面左がビニールクロスの内装の箱、右は珪藻土仕上げの内装の箱。
 
 はぃ、珪藻土。
 健康素材ブームの代名詞とも言えるこの珪藻土、「健康住宅には珪藻土よ!」という奥様、
 「ねぇママ、ケイソウドって何?」と言われてちゃんと説明できます?
 
 そもそも珪藻とは、文字通り、殻が珪酸質の藻です。
 淡水から海水まで、広く、大量に分布する微生物です。
 
  
 (光学顕微鏡写真:ウィキペデイアより)
 
 この生き物の殻の珪酸は、字の通り、珪素の化合物。
 珪素は金属、そうレアメタルのシリコンです。
 
  
 (電子顕微鏡写真:ウィキペデイアより)
 
 珪藻の殻は、珪藻が死んでも分解されずに堆積物中で残存しやすく、微化石として大量に出土します。
 珪藻の殻の化石が、その大半を占める堆積物が珪藻土です。
 
 さて、世に珪藻土なる左官材は、ブームもあって数あれど、漆喰のように、珪藻土そのものが固まるわけではありませんので、合成樹脂で固める物がほとんど。
 例えば、大手メーカーの左官材の成分表。
 
  
 
 これ、実はリフォームでは、マクスでも使うことあるので、決してこの商品がダメ・粗悪品・使ったら死ぬ…、とか、そういう極端な物ではありません。
 私はいつもちゃんとお伝えしなければと思っているのですが、自然素材だから良いとか、ある工法がベストでそれ以外はみんな間違いとか、そういうのは間違いを通り越してインチキだと思っています。 (参考:自然素材信仰はいけません)
 
 だから誤解があるといけないので商品名消してあります。
 これ見ると、商品の重量%で、1割強が合成樹脂だって事が分かります。
 
 合成樹脂が入っていると、割れ(いわゆるクラック)が生じにくく、ビニールクロスに直接塗れたりと言ったメリットもあります。
 ただし、塗ってる時目がチカチカしたり、嫌な臭いがするのも事実だし、出来上がった後にライターで炙ると、黒い煙が出てゴムが焼けるように刺激臭がするのもまた事実。
 
 そう言う意味ではビニールクロスと同じですが、ビニールクロス=悪、としちゃうと、世の中のほとんどの住宅・建築物が全部悪になっちゃいますので、そんなことは全く思いません。
 要は、適材適所&ちゃんとそう言った物かどうかを理解しているか(説明を受けた上で選択しているか)、なのだと思います。
 
 
 話が脱線しかけてるので戻しましょう。
 
  
 
 これもよく見る営業ツール。
 「霧吹きかけても壁が吸収しちゃうでしょ!」
 ってやつです。
 
 先ほどの電子顕微鏡写真を見ると、微細なツブツブが沢山。
 これが調湿作用をもたらす秘密(そんな大げさな物でもないか)です。
 
 でも、そもそも、調湿作用は程度の差こそあれ、木や土・漆喰・炭・石膏ボード(こいつは結構ある)にだってあります。
 ただ、この珪藻土は、その調湿性が突出して高いのだとか。
 (詳しくは、湯布珪藻土の説明ページで)
 
  
 
 で、問題のこの珪藻土。
 
  
 
 コップに入れたお茶を入れると、五分もすれば曇るビニールクロスの箱、に対し、
 
  
 
 大丈夫な珪藻土。
 ってわけです。
 
  
 
 煮干し入りのタッパウエアーが、
 
  
 
 珪藻土も一緒に入れてあげると匂いが軽減とか…、
 ここまではまぁ、先ほどの樹脂入りの珪藻土も大差ないのですが、
 大きく違うのは、珪藻土と色調整用のタダの土、以外には施工性をよくするための食用デンプンは入っていますが、基本、樹脂を含まず自然素材だと言うこと。
 
 固まるのは、出土した珪藻土を特殊な粉砕法により、下地に食い付きやすく、互いにくっつきやすくすることで、固まっているのだそうです。
 だから、固まった後も、はがして水を加えれば、何年経っても何度でも塗り直せるのだとか。
 
 
 冒頭の馬場社長が、地元湯布院の珪藻土に着目し、メーカーと開発に成功、そして好景気(笑)。
 【湯布珪藻土】のホームページ
 
 おー、こりゃ凄いです。
 (これで安ければ言うこと無いんだけどなぁ…笑)
 
 というわけで、早速マクスでも使ってみます。
 結構使う物や仕様がころころ変わる、とご指摘・ご批判を受けますが、
 【メリットとデメリットをお伝えした上で、その時その時で一番良いと思う物をご提案する】
 のが、私は正しいと信じております。
 
 
 
 
  
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